公的年金制度と遺族給付を知る3つのポイント

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老後を支える大切な財産のひとつに『年金』があります。
この『年金』は、相続が発生した後にもらえるものもあります。
個人で事業を営む人、サラリーマン、主婦・・・それぞれの立場で、加入している年金が異なります。

今回は、日本の年金制度と遺族給付について見ていきましょう。

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◆これでスッキリ!7つの期限別に見る相続手続き

1.日本の年金制度

日本の年金制度は、「2階建て」、「3階建て」と例えられます。
公的年金部分のみを「2階建て」、それに上乗せする年金制度を含めると「3階建て」になります。

年金制度の体系

年金制度 制度体系

【1階】

日本国内に居住する20歳以上のすべての人は、1階の国民年金(基礎年金)に加入しなければなりません。
学生であっても加入する必要があります。
1階部分は、年金における基礎部分であるため、支給される年金を「基礎年金」といいます。

【2階】

第1号被保険者の2階部分「国民年金基金」は、会社員等との年金額の差を解消するために創設された任意加入の制度です。

第2号被保険者の2階部分「厚生年金」は、民間の会社員や公務員等が勤務先で手続きをして加入する年金です。
会社員や公務員等であった期間のみ加入することになるため、人によって加入期間が異なります。

年金制度 被用者年金制度

【3階】

上述のとおり、1階、2階が公的年金制度の部分で、3階は、公的年金制度に上乗せする年金制度です。

企業年金

会社員の3階部分である企業年金は、勤めている会社に企業年金制度があれば、強制的に加入することとなります。
企業年金制度がない会社員の場合、個人型確定拠出年金や民間の保険会社の個人年金保険等に加入するなどの自助努力で、3階部分を作ることができます。

年金払い退職給付

公務員の3階部分である年金払い退職給付は、平成27年10月より創設された制度です。
年金払い退職給付は、公務員であれば、例外なく加算されます。

第1・3号被保険者の場合

第1号被保険者(自営業者等)や第3号被保険者(専業主婦)は、3階部分がありません。
企業年金制度がない会社員の場合と同様、個人型確定拠出年金や民間の保険会社の個人年金保険等に加入するなどの自助努力で、3階部分を作ることができます。

2.年金の給付

一定の要件を満たすことで、年金を受け取ることができるようになります。
年金の給付は、大きく分けて次の3種類です。

老齢年金

65歳になると、国民年金から「老齢基礎年金」を終身受け取ることができます。
厚生年金に加入していた期間については、「老齢厚生年金」等が上乗せされます。

障害年金

病気やけがで障害が残ったときは、国民年金から「障害基礎年金」を受け取ることができます。
厚生年金に加入している場合は、「障害厚生年金」が上乗せされます。

遺族年金

一家の働き手がなくなったときは、国民年金から「遺族基礎年金」を受け取ることができます。
被相続人が厚生年金に加入していた場合は、「遺族厚生年金」が上乗せされます。
遺族給付については、さらに詳しく説明します。

3.遺族給付

遺族給付には、1階部分から支給される「遺族基礎年金」と2階部分の厚生年金から支給される「遺族厚生年金」があります。

年金制度 遺族給付イメージ

1階:遺族基礎年金

①亡くなった人の要件

次のいずれかに該当するときに支給されます。

年金制度 遺族基礎年金1

②受給する人の要件

年金制度 遺族基礎年金2

つまり、子のない配偶者は、遺族基礎年金を受給できません。

1階:その他給付

以下の年金は、要件を満たす場合に支給されます。

寡婦年金

寡婦年金は、要件を満たした第1号被保険者の遺族に支給される年金の一つです。
第1号被保険者として保険料を納めた期間(保険料の免除を受けた期間を含む)が、25年以上ある夫が死亡した場合、10年以上婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)のあった妻に、60歳から65歳までの間支給されます。
ただし、以下の場合、寡婦年金は支給されません。

  • 死亡した夫が老齢基礎年金を受けたことがある場合
  • 妻が老齢基礎年金の繰上げ支給を受けている場合
  • 夫の死亡後に再婚した場合

死亡一時金

死亡一時金は、要件を満たした第1号被保険者の遺族に支給される年金の一つです。
第1号被保険者としての国民年金の保険料納付済み期間が3年以上ある人が死亡した場合に遺族が受取ることができます。
受給できる遺族の範囲は、亡くなった人の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で、亡くなったときに生計を同一にしていた人が対象です。
ただし、遺族に遺族基礎年金、寡婦年金の受給資格がない場合に限られます。

年金制度 寡婦年金と死亡一時金

2階:遺族厚生年金

①亡くなった人の要件

次のいずれかに該当するときに支給されます。

年金制度 遺族厚生年金1

②受給する人の要件

年金制度 遺族厚生年金2

遺族基礎年金より、遺族厚生年金の方が受給範囲が広いのがポイントです。

2階:その他給付

以下の年金は、要件を満たす場合に支給されます。

中高齢の寡婦加算

「遺族厚生年金」は、原則再婚しない限り、一生涯受け取ることができます。しかし、「遺族基礎年金」は、受け取れる遺族の範囲が「子のある配偶者」または「子」に限られています。
したがって、夫が死亡した場合に、子がいないと「遺族基礎年金」を受け取ることはできません。また、子がいても、18歳の年度末まで(一定の障害状態にある場合は20歳未満)となっているため、子が18歳年度末(20歳)を迎えると、「遺族基礎年金」は打切りになってしまいます。
なお、中高齢の寡婦加算の受給者は、妻に限られます。

中高齢の寡婦加算が加算される場合

年金制度 寡婦加算

遺族基礎年金・遺族厚生年金における配偶者と子

配偶者

税法上と異なり、社会保険上は、内縁関係でも認められます。

死亡当時、18歳の年度末までの間にあるか、または20歳未満で一定の障害状態にあり、かつ、現に婚姻していない法律上の子(養子縁組・認知を含む)をいいます。

まとめ

相続における年金関連手続きを行う場合に重要なことは、「被相続人の加入制度を知る」ということです。
加入していた制度によって、受給要件や手続きが異なります。

相続における年金関連手続きについては、以下のブログ内のチェックリストが大変役立ちます。
ぜひご確認ください。
◆これでスッキリ!7つの期限別に見る相続手続き

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