相続人の中に未成年者がいる場合の3つのポイント

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相続人の中に未成年者がいる場合、相続手続きにどのように影響してくるのでしょう。
ところで、未成年者は、法定相続人になるのでしょうか?
相続において、被相続人との関係において法定相続人に該当する場合は、法定相続人の年齢にかかわらず、全員法定相続人になります。
今回は、法定相続人の中に未成年者がいる場合について、詳しく見ていきましょう。

☆☆参考☆☆遺産分割協議に関する記事はこちら
◆遺産分割協議について知っておきたい4つのポイント

1.法定相続人に未成年者がいる場合の遺産分割協議

遺産分割協議において、未成年者も含めた法定相続人全員の同意が必要となります。
しかし、未成年者は単独で遺産分割協議を行うことができません。遺産分割協議を行うには、法定代理人の同意が必要となります。

参考:法定相続人

法定相続人

遺産分割協議は法律行為

なぜ、未成年者が単独で遺産分割協議を行えないかというと、遺産分割協議が「法律行為」に該当するからです。

法律行為とは、当事者がその意思に基づいて一定の効果の発生を求めて行う行為で、法律がその効果の発生を認めるものをいいます。
遺言や贈与、売買契約や雇用契約など、法律行為は多岐にわたります。

未成年者の法律行為には法定代理人の同意が必要

未成年者が法律行為を行うには、原則として法定代理人の同意を得なければなりません。未成年者が、法定代理人の同意を得ないでした法律行為は取り消すことができるとされています。
売買契約など日常の法律行為では、親権者がこの法定代理人となります。

親権者が子の法定代理人になれるか?

しかし、相続で親権者と未成年の子が相続人になる場合、親権者が子の法定代理人として遺産分割協議の同意をすることはできません。なぜなら、親権者が未成年の子の法定代理人となると、利益相反行為に該当するからです。

具体的な事例-利益相反

未成年の相続人 事例

法定相続人は、上記のとおり、母と子A、子Bの3人で、父の遺産を相続するという同じ立場にあります。
もし、母が子A、子Bの法定代理人として認められてしまうと、母は、自分自身と交渉することになり、子A、子Bの意思に関係なく、母の好きなように遺産を取得することが可能になってしまいます。

そこで、このような場合には、親権者に代わって未成年の子の代理人となる「特別代理人」の選任が必要になります。
選任された特別代理人が子に代わって、他の相続人と遺産分割協議を行います。
今回の事例では、母と子Aの特別代理人、子Bの特別代理人で遺産分割協議を行います。

2.未成年者に代わり遺産分割協議に参加する人

相続人に未成年者がいる場合に、親権者と未成年の相続人がともに相続人となる場合が考えられますが、その場合は①に該当するため、特別代理人の選任が必要です。

※相続人である未成年者が相続人であっても、親権者が相続放棄等で相続人でない場合には②に該当する。
※相続人である未成年者が養子の場合、親権者は養親であって、その養親が全員死亡している場合でも、親権は実親には戻らないので、その場合は「親権者なし」となり、③もしくは④に該当する。

①親権者あり・利益相反あり→特別代理人

②親権者あり・利益相反なし→親権者

③親権者なし・利益相反あり→未成年後見人(未成年後見監督人が選任されている場合は、未成年後見監督人)

④親権者なし・利益相反なし→未成年後見人(未成年後見監督人が選任されている場合は、未成年後見監督人の同意を得て未成年後見人)

親権者(後見人)と子(被後見人)の利益が相反する行為(利益相反行為)

利益相反行為とは、法律行為が、親権者の利益になるが未成年者にとっては不利益になる行為であったり、親権に服する子の一方には利益になるが他方の子にとっては不利益になる行為のことをいいます。

  1. 夫が死亡し,妻と未成年者で遺産分割協議をする行為
  2. 複数の未成年者の法定代理人として遺産分割協議をする行為
  3. 親権者の債務の担保のため未成年者の所有する不動産に抵当権を設定する行為
  4. 相続人である母(又は父)が未成年者についてのみ相続放棄の申述をする行為
  5. 同一の親権に服する未成年者の一部の者だけ相続放棄の申述をする行為

3.特別代理人の選任

特別代理人は、親権者等が子の住所地の家庭裁判所に申立てをして、利益相反にならない適切な人を選任してもらいます。
未成年者1人に対して、特別代理人1人が必要です。未成年者が複数いる場合は、複数の特別代理人が必要となります。

所轄の裁判所を調べたい方

申立てに必要な書類

(1) 申立書

(2) 標準的な申立添付書類

  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 親権者又は未成年後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
  • 利益相反に関する資料(遺産分割協議書案,契約書案・抵当権を設定する不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)等)
  • (利害関係人からの申立ての場合)利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)等)

※選任には、通常1~2ヶ月の期間が必要なので、遺産分割協議を相続税の申告期限内に調える為には、家庭裁判所へ早めに手続することが必要である。

まとめ

親権者である父又は母が、その子との間でお互いに利益が相反する行為(これを「利益相反行為」といいます。)をするには,子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません。また、同一の親権に服する子の間で利益が相反する行為についても同様です。

特別代理人に選任されるために、資格は特に必要ありませんが,特別代理人は,未成年者(被後見人)の利益を保護するために選ばれるものですので、特別代理人としての職務を適切に行えることが必要です。

通常、未成年者(被後見人)との関係や利害関係の有無などを考慮して適格性が判断されます。

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