個人型確定拠出年金制度を知る6つのポイント

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これまで企業を中心に加入がすすめられてきた、確定拠出年金ですが、今年の1月1日から一部制度の改正が実施されました。
これによって、個人型確定拠出年金に加入できる方が大幅に増加すると予想されます。

今回は、確定拠出年金制度の基本的知識と2017年1月より改正された内容について詳しく見ていきましょう。

1.確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、企業または個人が拠出した掛金と、その運用収益の合計額を基にして将来受け取る年金額が決まる制度です。
年金部分でいえば、1階部分が国民年金(基礎部分)、2階部分が厚生年金保険に当たります。
そして、この確定拠出年金は、確定給付企業年金や厚生年金基金とともに、3階部分に相当する上乗せ部分といえます。

確定拠出年金 年金しくみ

確定拠出年金が導入された目的

景気変動により企業の業績に影響をもたらす従来の企業年金等だけでは従業員にとって老後の備えが不安定になりやすいなどの問題を抱えていたため、厚生年金基金や国民年金基金の年金制度に加え、個人や事業主が拠出した資金を個人が自己責任において運用の指示を行い、その結果に基づいた給付を受けることができる仕組みとして創設されたものです。
高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としています。

2.確定拠出年金の種類

確定拠出年金は、「個人型」と「企業型」の2種類があります。実施主体や加入できる者、拠出限度額などがそれぞれ異なります。

確定拠出年金 個人型と企業型

個人型と企業型の共通点

事業主または個人が拠出した掛金を個々の加入者が株式や債券などの運用商品を選んで運用し、その運用結果に基づく年金を老後に受け取る点です。
いずれも老後までの間の運用が将来受け取る年金額を左右するため、運用商品の選択が重要です。

3.運用方法について

国民年金基金連合会から委託された運営管理機関が提示する運用商品の中から、加入者自身が運用指図を行います。
運用商品は「元本確保型商品」と「その他の運用商品」に分かれています。
金融機関等の運営管理機関は現行、3つ以上の商品を選択肢として提供する義務があり、必ず1つは元本確保型商品の提供する必要があります。

運用商品の種類

元本確保型商品については、主に「預貯金」「国債」「地方債」「利率保証型積立生命保険」「積立傷害保険」「定期年金保険」「金銭信託」など預貯金保険制度など法律上の保護のある商品などです。
その他の運用商品については、「株式投資信託」「外貨預金」「変額保険」などがあります。この他、個別の株式や社債でも運用することができます。
運営管理機関となる銀行や信用金庫、信託銀行、証券会社、生命保険会社、損害保険会社等が商品を組み合わせて提供しています。

4.確定拠出年金の給付

給付の種類は「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」「脱退一時金」があります。
メインの「老齢給付金」については、原則として60歳から受給することができます。
60歳までは途中で引き出すことができず、加入期間が10年未満の場合は、支給開始年齢が61~65歳となります。

5.確定給付企業年金との大きな違い

確定拠出年金に似たものとして、確定給付企業年金があります。
確定給付企業年金は、加入者が拠出した掛金と運用収益により運用実績が増減するリスクがあるものの、将来支給される年金総額が確定している制度です。つまり、年金の拠出、運用、支給の流れの中で、支給段階である「出口」の金額が決まっています。
一方、確定拠出年金は、あらかじめ確定した掛金を拠出という最初の「入口」の金額が決まっており、年金総額は、将来の受取開始までの運用実績により左右されます。
将来支給される年金総額が確定されておらず、加入者が拠出した掛金と運用収益により変動するリスクがあります。

6.確定拠出年金法の法改正による主な変更点

確定拠出年金法の法改正による主な変更点は、以下の6点です。具体的に見ていきましょう。

制度の普及・拡大のための見直し項目

①個人型の加入可能範囲の拡大

※施行日:2017年1月1日

これまで確定拠出年金に加入することができなかった以下の人について、個人型確定拠出年金に加入することができるようになります。

  • 確定拠出年金以外の企業年金の加入者
  • 公務員等の共済加入者
  • 第3号被保険者(専業主婦等)
②中小企業向けの新たな制度の創設

※施行日:公布日から2年以内で政令で定める日

従業員100人以下の中小企業を対象に、以下の制度が創設されます。

  • 簡易型確定拠出年金:制度実施時に必要な手続き書類を簡素化するとともに、行政手続きを金融機関に委託することを可能とします。
  • 個人型確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度:個人型確定拠出年金に加入している従業員に対して、事業主が追加で掛金を拠出することを可能とします。
③ポータビリティ(異なる制度間の資産の持ち運び)の拡充

※施行日:公布日から2年以内で政令で定める日

  • 確定給付企業年金(DB)規約で資産の受け入れについて定められている場合において、DC(企業型及び個人型)からDBへの資産の持ち込みを可能とします。
  • 合併等の場合において、DB及び企業型DCと、中小企業退職金共済との間で資産の持ち込みを可能とします。
④確定拠出年金掛金限度額の年単位化

※施行日:2018年1月1日

これまで確定拠出年金では、月単位で限度額が定められていましたが、改正後は年単位で限度額に収まっていればよいことになります。

その他の見直し項目

上記4点の他にも、運用の改善のため、企業型における運用商品や継続投資教育及び運営管理業務の委託に関する見直しが、改正内容に盛り込まれています。

まとめ

今回の法改正で押さえておきたい最も重要なポイントは、個人型の加入可能範囲の拡大された点です。
今回の改正により、原則、公的年金の加入者は全員、確定拠出年金制度を利用することができるようになりました。

※検索サイトで「個人型確定拠出年金」なで検索すると、加入資格などをご自身で確認できますのでお確かめください。

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