後継者ができる事業承継に係る資金の準備方法3つ

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経営者の信用は、一朝一夕に築けるものではありません。
後継者が、オーナーの資金や信用力を頼って、オーナーが準備してくれたレールに乗っているだけでは、事業承継がうまくいかなくなる可能性があります。
今回は、様々な制度を活用して、後継者ができる事業承継に係る資金づくりの方法をご紹介します。

1.事業承継には不確実性がつきもの

事業承継に必要な資金が自己資金で準備できる「万全な事業承継」もあるでしょう。
しかし、譲渡・贈与時の自社株評価額が予想以上に高くなっていたり、相続が突然発生したりすることも考えられます。経営・事業承継には、不確実性がつきものです。
したがって、オーナーの資金や信用力に頼り切った事業承継計画では不十分であり、後継者も事業承継に関する準備をすることが重要となります。

後継者にできる事業承継の準備

後継者が事業承継に関して準備できることは、様々な制度を活用した資金づくりです。
事業承継のために使える資金をオーナーだけでなく後継者も準備しておくことで、取引先や金融機関の信用力につながります。

2.資金づくりに活用できる制度

3つの制度をご紹介します。

小規模企業共済制度

小規模企業共済制度とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための積立による退職金制度です。国の機関である中小機構が運営しています。
2017年3月時点で、約133万人の加入者がいるとされています。
掛金は、全額所得控除することが可能であるため、高い節税効果があります。

小規模企業共済のポイント3つ

①掛金は加入後も増減可能で、全額所得控除が可能

月々の掛金は、1,000~70,000円の範囲で自由に設定が可能です(500円単位)。
加入後も掛金の増額・減額ができます。
毎年の確定申告の際は、掛金の全額を課税対象所得から控除できます(上限84万円)。

②共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能

共済金は、退職・廃業時に受け取りが可能です。
共済金の受け取り方は、一括・分割・一括と分割の併用を選択することができます。
一括で受け取る場合には、退職所得扱いになります。
分割で受け取る場合には、公的年金等の雑所得扱いとなります。

③低金利の貸付制度を利用できる

掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を利用することができます。
低金利で、即日貸付も可能です。
いざ、事業承継を行うにあたって、借入れによる資金づくりを行う際にこの制度を活用することができます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。
加入は任意です。
加入者は、掛金を拠出して、運用方法を選択します。掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。
掛金、運用益、給付に、それぞれ税制上の優遇措置が講じられています。
加入の年齢制限(60歳未満)が設けられているため、後継者による資金づくりに適しているといえます。
※掛金の元本保証は、預金運用の場合のみです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のポイント

①掛金が全額所得控除が可能

年額27万6,000(厚生年金保険被保険者の掛金上限)まで所得控除が可能です。

②運用益も非課税で再投資

通常、金融商品を運用すると、運用益に課税されます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)であれば、運用益も非課税で再投資されます。

③受け取り方法を選択可能

個人型確定拠出年金(iDeCo)の受け取り方は、年金・一時金を選択することができます(金融機関によっては、年金と一時金を併用できる場合もあります)。
年金として受け取る場合には、公的年金等控除を受けられます。
一時金として受け取る場合には、退職所得控除の対象となります。

NISA

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。

NISAのポイント

①毎年120万円まで投資可能

NISAの非課税投資枠は1年ごとに設定され、毎年120万円まで投資することができます。

②払い出し・売却はいつでも可能

払い出し・売却はいつでもできます。
ただし、払い出し・売却をした分に対応する非課税投資枠は再利用できません。

③非課税期間は5年間

非課税期間は5年間です。
非課税期間が終了したら、口座内の金融商品は次のいずれかを選択することとなります。
・翌年の非課税投資枠に移す
・課税口座に移す
・売却する

上記3つの方法の他にも生命保険を契約したり、金融機関の積立型定期預金などを利用する方法もあります。
準備期間がどれくらい確保できるのか、株式等での運用に抵抗はあるか、など状況・考え方に応じた方法を選択すると良いでしょう。

事業承継に係る資金づくりは、オーナーと後継者が協力して行うことが望まれます。
できるだけ早い時期から準備しておくことで、後継者に今後会社を継ぐのだという覚悟ができて、事業承継を成功させる要素として重要となるでしょう。

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